掲載:INTERNET Watch (2007/12/06)

角川グループホールディングス会長の角川歴彦氏が、デジタル著作権管理(DRM)技術を整備した上で、著作物を閲覧したユーザーから料金を徴収する“閲覧権”を創設すべきであると主張しているが、まさにそのとおりだと思う。
著作権法は、他の法律のように体系的にできておらず、細かい“契約レベル”の条項の羅列となっている。これは、著作権契約システムの提唱者でもある岡本薫元文化庁著作権課長も言っているように、著作権法は業界の個々の要請を聞きながら、その都度法律に加えていったからである。たとえば、頒布権は、映画の著作物のみを対象としているが、これは映画の配給業者の陳情によって法律に加えたからである。
このように著作権法は、自分たちの著作物を保護してほしい立場の業者の声によって作られていった法律のため、利用する側になると権利のしがらみを如何に解くかが問題になる。文化の発展を目的に作られた法律が皮肉にもその発展を著しく阻害している状況に陥っているのである。
利用者が利用したいときに安心して利用でき、利用があったときには自動的にその著作権者の収益に繋がる仕組みが望まれている。この仕組みの実現のためには法改正とシステム作りの両面からのアプローチが必要になろう。