ホーム の中の 最近の法改正 の中の 平成20年改正

近年、特許権のみならず出願段階における発明の活用の重要性が高まっているが、現行法において、成立した特許権を対象とする専用実施権及び通常実施権についてのみ規定が設けられており、特許権成立前のライセンスに関する規定はない。また、ライセンスの登録についても、専用実施権及び通常実施権の登録のみが可能であり、特許出願後におけるライセンスであっても、特許権が成立するまでは登録することができなかった。
加えて、現行制度においては、通常実施権等に係る登録事項は対外的に開示されることになっているが、特許権者側、ライセンシー側双方の企業等にとって、どのような特許権についてどの企業からどのようなライセンスを受けているのか、又はどのような企業にライセンスしているのかという事実は、企業の研究動向や商品開発動向を推測させるため、企業の営業秘密や経営戦略に密接に関わる情報として対外的には開示せず秘密にしておきたいとの意見があった。
そこで、特許出願段階におけるライセンスに係る特許法上の権利として、新たに仮専用実施権及び仮通常実施権を設け、併せてその登録制度を設けることとした。 また、通常実施権等の登録制度について、特許原簿への登録を通じて一般に開示されている登録事項のうち、企業等において秘匿ニーズの強い事項については、一般への開示を制限する制度を導入することとした。

特許法第34条の2 (新設)

特許を受ける権利を有する者は、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、その特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した範囲内において、仮専用実施権を設定することができることとした。また、仮専用実施権に係る特許出願について特許権の設定登録があったときは、その特許権について専用実施権が設定されたものとみなすこととした。

特許法第34条の3 (新設)

特許を受ける権利を有する者は、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、その特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した範囲内において、仮通常実施権を許諾することができることとした。また、仮通常実施権に係る特許出願について特許権の設定登録があったときは、その特許権について通常実施権が許諾されたものとみなすこととした。

特許法第27条

本条は仮専用実施権及び仮通常実施権についての登録制度を創設し、これらの権利について特許原簿に登録すべき事項を定めた。

特許法第34条の4 第34条の5 (新設)

本体である専用実施権及び通常実施権に倣い、仮専用実施権については登録を効力発生要件とし、仮通常実施権については登録を第三者対抗要件とした。
仮専用実施権の登録の効果については、専用実施権の登録の効果について規定している特許法第98条第1項第2号及び同条第2項の規定にならい、特許法第34条の4として規定。また、仮通常実施権の登録の効果については、通常実施権の登録の効果について規定している特許法第99条第1項及び第3項の規定に倣い、特許法第34条の5として規定した。

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物品の本来的な機能を発揮できる状態にする際に必要となる操作に使用される画面デザイン(画像)について、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に含まれるものとして意匠法の保護対象となる。また、当該画面デザインがその物品の表示部に表示されている場合だけでなく、同時に使用される別の物品の表示部に表示される場合も保護対象となる。

意匠法第2条第2項

当該画像は物品の一部分として保護されている。つまり通常の全体意匠の一部を構成する要素、あるいは、部分意匠を構成する要素として画面デザインの保護が認められたため、画像そのものを意匠法で保護することはできない。一方、保護対象となる画像は「物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像」でなければならないことが規定されている。したがって、画面に表示される画像であっても、操作を必要としない画像(映画の一場面等)は保護対象とはならない。

尚、組物の意匠は構成物品全体に係るデザインの統一感を保護するものであり、画像は個々の物品の一部にすぎないため、画像組物の意匠としての登録を認められない。

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優先権書類の電子的交換は、出願人の利便性を向上させ、また各国特許庁が優先権書類を電子化する手間を省くことにより各国特許庁の行政処理の効率化に寄与するものであることから、平成19年9月、世界知的所有権機関(WIPO)において、優先権書類の電子的交換の枠組みを国際的に拡張することが合意された。しかしながら、改正前の特許法第43条第5項では、優先権書類の電子データを取得できる対象を第一国から提供されるものだけに限定されていた。
出願人の利便性向上及び行政処理の効率化の観点から、新たな優先権書類の電子的交換に対応することを可能にするため、特許法第43条第5項を改正し、第一国において電子化された優先権書類データだけでなく、第一国以外の国や国際機関において電子化された優先権書類データの取得も可能とした(特許法第43条第5項)。

特許法第43条

国際的な優先権書類電子交換の枠組みに対応するため、第一国以外の国や国際機関との間での電子的交換が可能となるように、優先権書類の電子的交換が可能な場合及びその交換のために必要な事項として出願人に求める書面を経済産業省令で規定できるように改正した。
さらに、特許法第43条第5項に規定する書面の出願の番号を始めとする優先権書類に記載されている事項を交換するために必要な記載事項は、優先権書類の電子交換の形態や対象国との取決め等に対して柔軟に対応するために、経済産業省令で定めることとした。

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料金の高さが権利維持の阻害要因となっているとの指摘、また事業の国際化が進む中、諸外国と比較して我が国における料金の高さが指摘されている。加えて、中長期的な収支見込みから料金の引き下げが可能となったため、利用者のニーズへ適切に対応するために特許部門及び商標部門の料金を引き下げることとなった。
特許部門についての引き下げは、特許権の適切な維持を促進する観点から、中小企業からの引き下げニーズが強い特許料を引き下げることとした。特に、10年目以降の特許料を重点的に引き下げることとなった。
商標部門については、他国と比して高額な設定登録料及び更新登録料を引き下げることとした。引下げに際し、更新登録料を重点的に引き下げることとした。また、設定登録料及び更新登録料の分割納付額についても重点的な引き下げを行うこととなった。

特許法第107条

本条は、特許料について規定したものである。具体的には、10年目以降の特許料を引き下げた上で、全期間一律に12%引き下げている。

商標法第40条

本条は、商標権の登録料について規定したものである。 具体的には、平均的な区分数を有する出願に関して、更新登録料を出願料と設定登録料との合計額と同額とした上、設定登録料及び更新登録料を一律43%引き下げている。

商標法第41条の2

本条は、登録料の分割納付について規定したものである。

商標法第65条の7

本条は、防護標章登録に基づく権利の登録料について規定したものである。 防護標章登録に基づく権利の登録料について、商標権の登録料と同様に料金の引下げを行った。

商標法第68条の30

本条は、国際登録に基づく商標権の個別手数料について規定したものである。 本条第 1項第 1号に規定される個別手数料は出願料に、本条第 1項第 2号に規定される個別手数料は設定登録料に、本条第 5項に規定される個別手数料は更新登録料に、それぞれ相当するものであることから、商標権の登録料と同様の考え方により料金の引下げを行った。

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近年、公共料金の支払等における決済方法について、口座振替による納付やクレジットカードの利用が一般的に普及しているなど決済方法の多様化が進んでおり、産業財産権に係る手数料等の決済方法についても、利用者の利便性向上の観点に立った対応が求められている。さらに最近では、国庫金納付に係る大規模な電子決済インフラが整備されてきており、関係省庁や関係機関等の協力のもとオンラインシステムを利用したリアルタイムによる口座振替納付が可能となった。
このような状況を踏まえ、特許料等及び手数料の特許等関係料金について、出願人等手続者の利便性向上を図る観点から、口座振替による納付制度を導入することとなった。

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